毎日jp(毎日新聞社)2009.09.26

舞台:「ブックショップ」に主演 カナダの人喜劇を翻訳 舞台「ブックショップ」の一場面=撮影・池上直哉 宝塚歌劇団出身の女優、麻乃佳世さんが主演する舞台「ブックショップ」が、シアターサンモール(東京都新宿区)で上演されている。読書の秋にぴったりで、年代を問わず楽しめる舞台だ。 現代の欧米の一都市にある古い書店が舞台。子供のころから本が大好きなジェーン(麻乃佳世さん)は、夢かなって本屋のオーナーになる。ところが、新装オープンの日の夜、元の店主を名乗る幽霊・ヴィクター(川井康弘さん)が現れ、「大切な本が見つからない」と店内を探し回る。 それは、片思いのまま分かれた女性、ペトラ(明美三枝子さん)への思いをつづった本だった。3日以内に最終章を書き上げないとヴィクターはその場にとどまらなければならない。一方、ジェーンも隣のチョコレート屋のサミュエル(溝呂木賢さん)に好意を抱いているが、極端な内気でまともに話もできない。ヴィクターはジェーンに勇気を出すよう励ます。果たして2人の恋の行方は・・・・・という物語だ。 「ブックショップ」はカナダ・ケベック州の劇団「グロ・メカノ」の作品で、これまでにフランスやベルギーなどでも上演され好評を博している。脚本は仏・英・スペイン語に翻訳されているが、日本語での上演は今回が初めて。演出家のフレデリック・デュボアさんらも来日し、日本側スタッフと共同で舞台を創り上げた。本だらけの舞台装置はカナダ公演のものが再現され、上下左右の動きを作り出せるよう工夫されている。脚本のマリー=ジョゼ・バスタンさんは公演後、「言葉はわからなくても、同じ感動を得ることができた」と評価した。 麻乃さんは、宝塚在籍時には月組の娘役のトップとして、男役トップの涼風真世さんと天海祐希さんの相手役を務めた。今回の演目については、「日本には珍しくファンタジックだけどミュージカルではない。物語の中のジェーンと同じように、自分自身も(演じながら)成長できる舞台で、老若男女皆さんに楽しんでいただけると確信しています。より多くの人にこの作品の世界を知ってほしい」と呼びかけている。 【岡本同世】

2009.09.27|Categories: メディア紹介|
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